Day 2 Part 2: Cast + Crew Reunion

イベント2日目の目玉は、ナポソロの撮影に携わっていたスタッフが集結し、当時の裏話などを披露してくれるというすごい企画!

まずは主催者のロバート・ショート(The Return of the Man from U.N.C.L.E.のテクニカルアドバイザー)、ジョン・ハイトランド(アンクルブックの著者)両氏が登壇しました。イベントの名称はThe Golden Anniversary Affair。最初にこの名前を提案したのはジョンさんなのですが、みんなに散々「え〜?」と難癖をつけられ、ああでもないこうでもないと話し合って、2週間後に言われたのが「なあ、Golden Anniversary Affairってどうよ?」。僕が最初にそれ言ったのに…と憤慨したとのことで会場大爆笑。

挨拶の後は、ナポソロの名場面を集めたクリップが流されました。私のお気に入りのシーンが沢山入っていて、あ、やっぱりファンのツボは似ているのだな、と妙に感心しました。チープなアクションシーン(失礼)で結構笑っている参加者もいました。

クリップはこの後も何度か流されたのですが、イリヤってナポさんに対してこんなに辛辣だったのかと改めて実感。吹き替えでは野沢那智さんの声が大変にかわいらしくトーンも高めなので、嫌味を言っても「イリヤかわいい〜」だったのですが、マッカラムさんの声は結構トーンが低く、「おお、イリヤ結構言うなあ」と印象がかなり異なるので興味深かったです。特に超ウーマナイザーなナポさんをグサリと皮肉る(本人がいないところで)くだりなど、毒舌です。

続いて実際撮影に携わっていた当時のスタッフ・クルーの登壇がはじまりました。残念ながら全部は書き留められなかった&覚えきれなかったのですが、以下にいくつか記しておきます。私はライトなファンなので、終始「へえ〜」と聞き入っていましたが、アンクルブックに載っていたり、とっくにご存知な裏話もあるかもしれません。

主に当時アソシエイト・プロデューサーだったジョージ・レアさんが、色々な裏話を語ってくれました。とっても元気なおじいさまでした。

・「イリヤ・クリヤキン」というちょっとエキセントリックな名前は上層部からは不評だったものの、ノーマン・フェルトンが「これで行く」とゴーサインを出した。

・1エピソードは大体7日で撮っていた。

・ヴォーンさんとマッカラムさんは本当に正反対の性格で、でもだからこそ上手くいったのだと思う。

・アドリブを好んだのはマッカラムさんのほう。

・コミュニケーターがシガレットケース型からペン型に変わったのは、番組の人気に伴い喫煙に対する青少年への影響を考慮したため。

・日本では今でも精巧なアンクルガンのレプリカが作られてるんだよ、すごいよね、との発言が!

・印象的な場面転換の映像は、サム・ロルフから「何かカッコいいの作ってくれ」と言われてジョージさんが考案したもの。白と黒の幅が異なる箱をいくつも作って並べ、その前にカードボードを置く。正面からカメラで撮るときにそのボードを引き抜くと、モーションブラー、つまり被写体ブレが生じる。こうしてあの映像が生まれたそうです。60年代、現在のように簡単に何でもCGで出来る時代ではなかったからこその、素晴らしいアイデアだと感動しました。(このくだり、もしかしたら聞き間違えているかもしれません…)

・「おたくの番組はパリやら色々と海外ロケできていいなあ」と言われたこともあるそう。本当はストック映像を使ったり、当時のMGMの広大なロット内に立てられた、他の映画などに使われたセットを利用していて撮っていた。セットは建物の前面しかないハリボテも多く、でもそれを説明しても信じてもらえなかったとか。

・脚本には「イリヤ、捕われたソロを救出しに行く。敵陣にはスラッシュいっぱい」程度の説明しか書かれていないことも多く、大抵は現場スタッフが救出の方法やガジェットを考案していたそう。名案を思いつくのは大抵ランチ休憩の後で(笑)「このボタンを押したらスラッシュが全員失神する(何のエピでしたっけ?)」というガジェットも、ランチの後に考えついたそうです。

・作曲家のジェラルド・フリードとラロ・シフリンも登場。スケジュールがかなり厳しく、5、6日で30〜40分の曲を作っていたとか。そのせいなのか、忙しすぎて当時のことはほとんど覚えてないようでした。ジェラルドさんいわく、各エピソードのタイトルがテーマにしやすかった(例えば「スラッシュ・ミュージカル (THE OFF-BROADWAY AFFAIR)」だったらブロードウェイ風、など)ので、そこからアイデアを膨らませていたそうです。

・監督のジョセフ・サージェントは、車イスで酸素吸入器をつけていたものの、お元気な姿を見せてくださいました。当時はそうは思わなかったけれど、ナポソロという番組の雰囲気はあの時代に必要だった、だから成功したのかなといったことを語っておられました。そしてスタッフに恵まれたとも。

・これは私が聞き逃した話ですが、他の参加者の方のFBによると、「拾った危険」の冒頭、クルマのサイドミラーにイリヤを追う敵の姿が映り、次に カメラが逃げてるイリヤのアップをとらえるという印象的なシーンは、マッカラムさんからの提案だったとか。ジョセフさんは、将来マッカラムさんが監督になるかも、と思ったそうです。

・ちなみにジョセフさんが一番手を焼いた脇役の人は、Alexander the Greater Affairでアレキサンダー役を演じたリップ・トーン。彼は舞台畑の人で、テレビ業界を下に見ていたのだとか。全身ビシっと決めた彼がヘリから下りて来る、というシーンを撮影していた時のこと。よく見るとリップ・トーンが靴を履いていない。理由を聞いても「説明する義理はない」ってな態度でまったく取り合わず、結局そのシーンはお蔵入りになったそうです。

・「マイナスX」「消された顔」のヒロイン役、シャロン・ファレルも登場。73歳(!)ながら、当時と変わらぬチャーミングさで、とってもかわいいおばあさまでした。でもナポソロの話もそこそこに、彼女の華麗なる男性遍歴暴露になってしまいましたが…。ちなみに当時みんなにモテモテだったらしく、ヴォーンさんにもマッカラムさんにもデートに誘われたそう。ヴォーンさんには「君をホワイトハウスに連れていってあげる」とも言われたそうですが(ヴォーンさんは政治家志望でした)、これは女性を口説く常套句だった模様(笑)

基本的にはナポさんとイリヤ関連の話というよりは制作舞台裏といった雰囲気で、当時の苦労が忍ばれました。彼らの支えがあって、素晴らしい番組となったんですね。

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