The day has finally come!

注)『コードネームU.N.C.L.E.』のネタバレをそれなりに含むので、公開まで詳細を知りたくない方はこの記事はスキップすることをお勧めします。

こちらアメリカでは8月14日の金曜日に待ちに待ったリブート『コードネームU.N.C.L.E.』が公開になりましたので、観てきました!BurbankにあるAMCシアターという映画館チェーンで、ナポソロコミュニティの皆さんと一緒に鑑賞するというミニイベントがあったので、私も参加してきたのです。
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劇場で映画を見るのは本当に久しぶりで、しかもIMAXという大スクリーンでの上映なので、ずいぶん前からかなり楽しみにしていました。コミュニティのメンバーの方が私たちだけ先に劇場に入れる(良い席を取れる)という特別な手配をしてくれたので、劇場内をグルグル回って良席をゲット。IMAXはビックリするぐらい大きなスクリーンなので、むしろちょっと離れて観た方がちょうどいいのです。ちなみにこのミニイベントの参加者は手の甲にナポソロのロゴの判子を押してもらい、上映後にサービスカウンターでそれを見せるとポスターがもらえるというオマケ付き!さらにTGAAの主催者でおなじみのロバート・ショートさんからピンバッチも配られました。

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さて肝心の内容ですが。
(以下割とネタバレにつき、ご覧になりたい方はテキストを反転してご覧下さい)

率直に言うと、なかなかよかったです!アメージング、ブラボー!とまでは行きませんが、秀作といった印象。ガイ・リッチー監督らしくスタイリッシュな映像で、大々的なヨーロッパロケを敢行しただけあって、各シーンの雰囲気も抜群。衣装も素敵です。俳優陣もみんな役によくハマっていたと思います。女性陣は申し分なし!ウェイバリーさんは出番こそ少ないものの影で操ってる感を醸し出していて、なかなかオイシい役どころでした。クスッと笑えるシーンも結構あるものの、シリアスでほどよく現実味のある展開でバランスも良。後半で怒涛のアクションシーンになだれ込むところはちょっと冗長感があるもものの、オリジナルと逐一比べることをせずに観ればナイスなスパイ映画だと思います。(ファンからするとそこが一番難しいわけなんですが。。。)

ただ、オリジナルのコアなファンであればあるほど、留意した方がいい点はあるのかなと。

1)アンスペもUNCLE本部も出てこないし、オリジナルのテーマ曲が使われていない、あれもこれも無いじゃないか、と逐一オリジナルと比べてしまうと、楽しめないかもしれません。

アンスペはオリジナルと形は違えどイリヤが使っているシーンが後半に出てきますし、本当にほんの一瞬ですがオリジナルのテーマ曲(Hugo Montenegroのアレンジバージョン)も流れます。オリジナルを踏襲してくれている部分もあります。ですが本作はあくまでも『リブート版』であり、オリジナルの設定をそのままそっくり持ってきて現代の監督と俳優で焼き直したものではありません。またリブートの設定はオリジナルの前日潭であり、アンクルという組織そのものが存在しないという設定なので、(おそらくウェイバリーさんを筆頭にこれから創設する感じ?)これらを念頭に置いた上でまっさらな気持ちで観ないと素直に楽しむことは難しいかもしれません。60年代を舞台にしたスパイ映画としては、及第点以上の出来だと思います。

2)キャラの背景設定がかなり改変されているので、ヴォーンさんとマッカラムさんが演じたナポさんとイリヤの熱烈なファンの方は観るのがキツいかも。

ナポソロが大ヒットした理由として、当時の時代背景にあって国や人種を超えて結成された組織が世界の脅威に立ち向かうという設定、数々のクールなガジェットなどが挙げられますが、私個人の意見としては、RVさんとDMさんが命を吹きこんだナポさんとイリヤという人物の唯一無二の魅力、そして二人の間の軽妙なやりとり、抜群のケミストリーが多くの視聴者を惹き付けたと思っています。

前述した通りこのリブートは前日譚で、すでに何年もパートナーとして任務にあたり気心も知れているオリジナルのナポさんとイリヤとはまったく違います。新ナポさんとイリヤは、互いの上司から「必要であれば殺せ」と指示を受けているぐらいですから(イリヤは本当に殺してしまいそうな勢い)、当然のことながらオリジナルと同じような関係性は望めませんし、軽口は言い合うものの、終始ピリピリムードです。とはいえお互いプロなので、協力するところはちゃんと協力しています。ですが宿敵である米ソが、世界的脅威となりうるナチの残党を排除するためにものすごーく嫌々ながらしぶしぶ手を組むという設定なので、オリジナルと同じようなバディシップも(まだ)見受けられません。とはいえヘンリー君もアーミー君も、2015年版の魅力的なナポさんとイリヤを演じてくれていると思いますし、それなりにお互いを気づかっているのかな?という雰囲気を感じさせるところもありました。(特にナポさんが、3歳ぐらい年上設定なので、暴走気味なイリヤをちょっと気にかけてくれている感じ。イリヤは終始「使えない。ウザイ。邪魔。こんのメリケン野郎…」という感じです(笑))

前から何度かコメントしていますが、ヘンリー君は割と仕草や話し方にRVさんの雰囲気を感じさせてくれますし、アーミー君はDMさんが演じたとってもかわいいイリヤとは正反対ではありますが、オリジナルのクリエイターが描いていたイリヤ像に近いことは、以前のポストでも述べたとおりです。

とはいえ60年代という時代を生きた俳優だからこそ醸し出せた特有のclass(日本語にするのが難しい単語ですが、端的に言うと「洗練さ」)みたいなものは、やはり現代の俳優では再現するのは難しく、現代のカッコいいお兄ちゃん2人に見えてしまうのは仕方ありません。こればかりは比較すること自体がフェアでないのですが。というかやっぱり、「比べて観るのはフェアじゃない」と思っていても、つい無意識に比べてしまうんですよね。

またこれは近年のハリウッドの傾向でもあるのですが、色々なことが便利になり豊かになった現代、皮肉にも人々は複雑な闇を抱えており、昔のように単純明快・完全無欠なヒーローよりも欠点があった方が視聴者が感情移入できるということで、最近の映画では主人公がやたら内面の葛藤を抱えていたり、はたまた重大な欠点があったりする設定が半ばテンプレ化しています。それはこのリブートでも例外ではありません。

予告編でイリヤがやたらに机をひっくり返したり、かなり暴れん坊な様子を見せていましたよね。エンディングのクレジットが流れるシーンで各キャラのプロフィールがちらっと映るのですが、イリヤのプロフィールを見ると、切れやすい性格の理由にはしっかり説明がつきます。まあ本編での振る舞いから、明らかに何らかの精神的な問題を抱えていることは、クレジットを待たずとも分かるのですが(笑)。この設定に関しては正直「うーん、そこまではっきりした設定にせずともよかったのでは…」というのが率直な感想ですし、ウェイバリーさんに至っては「えええええ」な設定です。(同監督作『シャーロック・ホームズ』へのオマージュ、ちょっとした遊びという意見もあるようですが、真偽不明です。)そしてナポさんが元泥棒という設定は公開前から明らかになっていましたが、なんと15年の服役と引き換えにCIAで働くことを強要されてエージェントになったということでした。これら各キャラクターの背景の大胆な改変をどう取るかでリブートへの印象はずいぶん違ってくると思います。ただそれほど詳細な背景設定がなかったオリジナルに比べ、リブートにおける各キャラの背景は、当時の時代背景を鑑みると真実味のある設定ではあるそうなのですが。。。このあたりの新しい設定も意見が割れるところではあるかと思います。

なんだかんだ否定的なことばかり書いてしまってガッカリさせてしまったかもしれませんが、オリジナルと比べることさえしなければ(一番大事なポイント!)スタイリッシュでクールな映画でしたので、ぜひ観に行って、ご自分の目で確かめてもらいたいなと思います。

あ、ちなみにベッカムは確かにしっかり登場しました。ものすごく一瞬でしたが、すぐに死ぬ赤シャツの役とかではありません(笑)

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